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Session ManagerのRun AsをIAM Identity Center環境で利用する

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目次

はじめに

IAM Identrity Center(以降Identity Center)の情報を用いてAWS Systems ManagerのSession Managerにログインする方法をご紹介します。
結論から言うとRun Asとアクセスコントロールの属性という機能を利用して実現します。

Run As とは

Session ManagerにはRun Asという機能があります。
デフォルトではssm-userにログインされますが、IAMユーザー毎に利用するOSユーザーを分けたいときに活躍するのがこのRun Asです。

IAMユーザーやIAMロールにタグ SSMSessionRunAs:${OSユーザー名} を設定することで、指定したOSユーザーに直接ログインすることができます。

Linux と macOS のマネージドノードで Run As サポートを有効にする

IAM Identity Centerで利用するには

Run Asはとても便利な機能なのですが、困ったことにIdentity Centerによって自動作成されるIAMロール(AWSReservedSSO_~)にはタグを付与することができません。

スクリーンショット 2025-07-04 103342.png

公式ドキュメントにもこのように記載されていました。(機械翻訳なので日本語が少しおかしいですが、、、)

IAM Identity Center が作成する対応するロールにタグを適用することはできません

AWS IAM Identity Center リソースのタグ付け

ではどうしたらいいのかというと、Identity Centerのアクセスコントロールの属性というものを設定します。

アクセスコントロールの属性はABAC(Attribute Based Access Control)に基づいて許可を制御するために利用するものです。
AWSに限った話にはなりますが、ABACとは雑に言ってしまうと、タグによる制御です。Identity Centerによって作成されたロールにはタグが付与できませんが、この機能を使うことで同じようなことが実現できるわけです。
詳細は以下の記事が参考になるかと思います。

アクセスコントロールの属性
ABAC 認可で属性に基づいてアクセス許可を定義する

設定方法

設定方法は簡単です。

まず、Identity Centerの設定にある「アクセスコントロールの属性」を有効化します。

スクリーンショット 2025-07-04 084543.png

すると新しくタブが増えますので、属性のキーと値が追加できるようになります。

スクリーンショット 2025-07-04 084658.png

今回、キーはSSMSessionRunAs、値は${path:userName}を選択します。
※選択肢以外でも自由に入力することは可能です。

スクリーンショット 2025-07-04 084810.png

属性の値として使えるのは表示名やEmailアドレスなどがありますが、今回はユーザー名を利用します。 利用できる値の詳細はサポートされている外部 ID プロバイダ属性をご確認ください。

続いてSession Managerの設定をします。 設定の編集から「Linux インスタンスの Run As サポートを有効にする」をチェックして保存します。

スクリーンショット 2025-07-04 173439.png

あとはOSにIdentity Centerのユーザーと同名のユーザーを用意したら準備は完了です。

接続確認

Identity Centerのユーザー(TestUser01)と同じ名前のOSユーザーに直接接続できるか試してみます。

スクリーンショット 2025-07-04 183437.png

では実際にSession Managerでインスタンスに接続してみます。

スクリーンショット 2025-07-04 183156.png

Identity Centerのユーザーと同じ名前のOSユーザー(TestUser01)でログインされました!

属性のキーを設定したけどうまく接続できないという方は40分くらい待ってみてください。
アクセスコントロールの属性は設定しても即時反映されないみたいです。

まとめ

このようにIdentity Center環境であってもSession ManagerのRun Asを利用することができます。
アクセスコントロールの属性はこの機能以外にも様々な権限管理に利用できますのでIdentity Centerを利用している方は検討してみてください。
この記事がどなたかのお役に立てれば幸いです。

この記事は私が書きました

渡邉 和貴

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CCoEをやってます。森と山に出没します。 好きなAWSサービスは IAM と CloudFormation

渡邉 和貴

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